子供が喜ぶ言葉ランキング
小学生編

はじめに
―その一言が、10年後の自信になる
「ほめているつもりだけど、これで子供に届いているのかな…」
「つい早くしなさいと注意をしてしまう…」
親なら誰もが経験する迷いや後悔ではないでしょうか。
小学生の時期は、心の土台がつくられる大切な6年間です。
現代の教育・心理学に大きな影響を与えた心理学者アルバート・バンデューラは「自分はできる」という感覚は周囲の肯定的な声かけによって強化されるとしています。
子供は努力を認められると「やればできる」という感覚が育ち、否定されると「自分なんて」と自己否定の思いが残ります。親のひと言は、子供の自己肯定感に直結しているといえます。
小学生の子供たちはどのような言葉に心を動かされるのか。
多くの研究機関や企業団体が調査を行なっていますが、今回は下記の資料を参考に検証していきます。
子供が喜ぶ「ほめ言葉」と声かけのタイミングの見つけ方
どのタイミングで、どのようなほめ言葉をかければいいのか。
意外とむずかしいものです。
ランキングに沿って、子供たちの心にひびく言葉を探っていきます。
第1位「がんばったね」
小学生に最も響くのは「努力」を認める言葉です。
テストの点数が良いときだけでなく、うまくいかなかったときこそ、伝えたい一言です。
・苦手な教科に取り組んだとき
・朝ぐずりながらも登校したとき
・練習を毎日続けたとき
伝えたいときはいろいろありますね。
「何点だった?」ではなく、「毎日よくやってたね。がんばったね」と。結果だけでなく、過程を見ていることを伝えることが大切です。
第2位「できるようになったね」
子供は「変化」に気づいてもらえると、驚くほど伸びます。昨日できなかったことが、今日は少しできた。そのわずかな差を言葉にしてあげます。
「前は途中で止まってたけど、今日は最後まで読めたね」
成長の可視化は自己肯定感を育てます。
第3位「ありがとう」
感謝は、子供に「役に立てた」という感覚を与えます。
・食器を運んでくれた
・妹を気遣ってくれた
・ドアを押さえてくれた
「助かったよ、ありがとう」の気持ちを示す言葉は、子供に存在価値を感じさせ、心に届きます。
第4位「最後までやったね」
小学生にとって「最後までやる」ことは簡単ではありません。
宿題、片付け、習い事などは途中でやめないこと自体が大きな成長です。
結果より完走を認めることが大切です。
第5位「あなただね」「あなたらしいね」
絵の色づかい、自由研究テーマ、友達への接し方など「らしさ」はさまざまなところで自然に出るものです。
「あなたらしいね」と言われると、子供は、自分の個性を肯定されたと感じます。
他人との比較ではなく、その子独自の良さを見つけます。
第6位「挑戦したね」
うまくいかなかったとしても、チャレンジした事実は消えません。
逆上がりに何度も挑戦した。手を挙げて発表しようとした。
「やってみようと思ったことがすごいよ」
このような声かけは、「失敗しても価値がある」という安心感を育てます。
第7位「工夫したね」
問題を解くとき、ブロックを組み立てるとき、作文を書くとき。
子供は実は、たくさん考えています。
「どのようにやったの?」と聞き、「そんな方法を思いついたんだね」とほめます。
考える力を認める言葉は、思考力を伸ばします。
第8位「自分で考えたんだね」
主体性を尊重する言葉です。
低学年でも高学年でも、自分の意思による行動は大きな成長です。
「先生に言われたから」ではなく、「自分で決めた」瞬間を見逃さないようにします。
第9位「成長してるね」
少し照れながらも、子供にとってうれしい言葉です。
「前より落ち着いて話せるようになったね」は、子供を一段上に引き上げる声かけです。
第10位「ママ(パパ)はうれしいよ」
親の感情を伝えることは、子供にとって安心材料になります。
評価ではなく、気持ちを共有する言葉です。
「あなたががんばっている姿を見ると、ママうれしいな」これは心のつながりを深める言葉となります。
コラム 低学年vs高学年
低学年と高学年では、心身ともに成長の違いがあります。
小学1-3年と5-6年に大きく分けて、積極的にかけてあげたいほめ言葉を挙げておきます。
高学年(5・6年生)の特徴
この時期は、自我が強まり、友達との比較や評価を強く意識します。
子供扱いされると反発し、尊重されると心を開きます。
おすすめの言葉は、
・「あなたの考え、なるほどね」
・「責任感あるね」
・「あなたに任せてみよう」
信頼の気持ちが言葉が、子供の心に響きます。
低学年(1〜3年生)の特徴
この時期の子供は、感情が中心の世界にいます。
長い説明より短い言葉が効果的。
明るい声と表情で伝えましょう。
「すごい!」「えらいね!」「がんばったね!」
その場で、すぐにはっきり伝えることが大切です。
著者プロフィール
原 万季子(フリーライター)
雑誌、書籍、PR誌、Webコンテンツ、動画シナリオなど、幅広い媒体で企画から執筆まで手がけてきました。調査や情報整理を大切にしながら、学びや暮らしを支えたい方に向けて、毎日に役立つ情報を親しみやすくお届けします。
出典・参考資料
・文部科学省「子供の学習意欲に関する研究」
・ベネッセ教育総合研究所「第5回学習基本調査(小学生版)」
・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と自己肯定感に関する調査」
※「やる気に影響する家庭の関わり」「自己肯定感と承認の関係」などを参考に考察しています。