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集中力アップ!学習向け「防音イヤーマフ」の選び方(中高生向け)

学習向け防音イヤーマフ

図書館はもちろんのこと、自習室やカフェ、フードコートなど、学習する環境は様々です。そして、学習意欲を削られるノイズ(環境音)はそれぞれの場所ごとにあり、集中力を維持できないこともしばしば。そんな時に有用なツールが耳栓ですが、耳の穴の形状がどうしても耳栓に合わなかったり、耳への違和感があって苦手、という人も少なくありません。

そこで今回は、耳栓と並んで頼りになる存在、「防音イヤーマフ」を紹介します。

“小さいと思っている音でも測定すると…”

イギリスの大規模研究(中高生相当・11〜16歳、n=976)では、教室の背景騒音(話し声を含む教室雑音)を再現して読解・語彙学習タスクを行ったところ、騒音レベルが高い条件で成績が低下しました[1]。さらに、子ども・青年期の研究を統合したメタ分析でも、騒音曝露が認知のパフォーマンスにデメリットがあるとまとめられています。[3]

学習中の“気になる音”は、同じ時間勉強しても進む量と正確さの質が変わってくるということです。[1]。

気になる音量と言われても「どのくらい?」かピンと来ないかもしれません。学習する上で気にすべきは自習室・図書館・カフェなどの学習環境下の“音量”だけではなく、話し声(言葉)などの“音の種類”も重要なポイントです。話し声を含む“雑音”で成績が下がるという研究結果があり「言葉が耳に入ってくる環境」では「言葉」に対する防音対策が特に重要です。そして、人の声への防音に有効性が高いのが防音イヤーマフなのです。[1]。

騒音環境のイメージ

防音イヤーマフとは?

防音イヤーマフは、一見するとヘッドフォンのように見えますが、音を鳴らす機能はなく、外音を遮断することに特化したツールです。

防音イヤーマフの特徴は以下のようなものがあります。

・耳全体を覆うことにより高い遮音性を発揮
・被るだけの簡単装着で、遮音性に個人差が出にくい
・電源や充電は不要なので、いつでも遮音効果を得られる

一方、耳栓の特徴は以下のようなものです。
・小さいので携帯性に優れている
・付属のイヤーチップのサイズが合えば高い遮音性を得られる
・価格がイヤーマフに比べて安い

これらの特徴を踏まえると、防音イヤーマフは次のような人に向いているといえます。

✔ 耳栓が耳の形状に合わない
→ イヤーマフは誰でも正しく装着できる[4]。
✔ 着脱が多い(自習室↔カフェ、静音席↔ざわつく席)
→ 断続的に使用するような環境では、イヤーマフの方がつけ外しがしやすい[4]。
✔ 気合を入れて集中したい人
→遮音性能が高そうなデザインなので、装着するという行為が、集中力スイッチになる。

イヤーマフ装着イメージ

ノイズキャンセリング機能付きヘッドフォンとの違いは?

防音イヤーマフは、そのヘッドフォンのような形状からノイズキャンセリングヘッドフォンと比較されることがしばしばあります。

ノイズキャンセリングヘッドフォンの特徴は以下のようなものがあります。
・騒音と逆位相の音をぶつけることで、騒音を打ち消します
・年々性能が向上していて、無音に近い静寂さを実現している機種もあります
・集中力を高めるBGMを流すこともできます

良いことばかりのように見えるノイズキャンセリングヘッドフォンですが、もちろんデメリットもあります。
・✔ 製品によって得意なノイズと苦手なノイズにばらつきがある
→低周波をカットするもの、高周波をカットするもの、全域を低減するもの、など様々な製品がある。
・✔ 防音イヤーマフに比べて重い
→長時間つけていると疲れてくる製品もある。
・✔ バッテリーが切れると防音効果がなくなる
→充電を忘れて持ち出してしまったら、全く役に立たない
・✔ 比較的高価である
→高性能なノイズキャンセリングの製品ほど高価になり、防音イヤーマフの3倍から10倍の値段になるものもある。
・✔ スマホなどに接続できるため、動画SNSなどを見たくなる
→ちょっとメールを確認、とスマホを手にした時、うっかり通知から動画SNSを見にいって、集中力が削がれるどころか、あっと言う間に時間を溶かしてしまうことも。

さらに、ノイズキャンセリングヘッドフォンには不得意な騒音環境もあります。
通常の製品では低周波の低減が中心になりやすいと解説されています[6]。
たとえば「空調」「車内のゴーッ」という“一定の低音”には強い傾向があります。
一方で、カフェやフードコートのような環境での会話ノイズは変化が多いノイズとなるため、製品によっては期待したほど騒音が減らないこともあります(機種・環境で差が出ます)。

その点、イヤーマフは、どんな種類の騒音も、総合的に「減音」できる、という強みがあります。

イヤーマフ比較イメージ

まとめ

ノイキャン:低音の一定ノイズに強い/機種差が大きい/電池や設定に左右される[6]。
イヤーマフ:装着がシンプル/効き方が安定しやすい/着脱がラク[4]。

“集中力を途切れさせない”学習用イヤーマフの選び方(中高生向け)

ポイントは3つです。

ポイント1)遮音は「強すぎない」ほうが集中力を継続できる

あまり強力に遮音してしまうと、逆に周囲でなにが起きてるかが気になってしまうことがあります。また、学習室などの終了時刻のお知らせや、家族の呼びかけも聞こえなくなるため不安になって集中できないという状況になる場合もあります。中高生の学習環境では「必要な音(呼びかけ等)」が聞こえることも重要です。

ポイント2)着脱のしやすさ(=運用のしやすさ)

集中力を保つためには、一定時間を置いて断続的に休憩を取ることが有効である、という理論があります(ポモドーロテクニック)。そのような学習法をする場合はサッとつけてパッと外せるイヤーマフタイプがお勧めです。

ポイント3)眼鏡をしている場合は“隙間をチェック”

眼鏡(ツル)が密閉を邪魔して音が漏れたり、耳が痛くなったりすることがあります。可能であれば実際にイヤーマフを着用してフィット感を確かめることをお勧めします。

学習用イヤーマフ選び方

編集部からのオススメ!(イヤーマフ編)

1)シンプルなデザインでスマートにつけられる

JVCケンウッド JVC 防音 イヤーマフ ヘッドバンド式 調整可能 EP-EM70-W

JVC EP-EM70-W

いわゆる「イヤーマフ」っぽい感じが少なく、オーディオメーカーならではのヘッドホンのようなデザインが特徴です。見た目に抵抗感が少ないと装着が継続しやすくなります。

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2)機能にこだわる:とにかく“効き”を優先

3M PELTOR イヤーマフ X4A(国内資料+第三者検証つき)

3M PELTOR X4A

様々なイヤーマフを出している3Mのイヤーマフラインナップの中で特に自宅学習/塾の自習室/読書/デスクワーク等に向けたモデルです。
比較メディアのmybestでも、X4Aは21商品比較でベストバイ/全音域をしっかり遮音として評価されています[11]。
全域をしっかり遮音したいならこのモデルがお勧めです。

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3)携帯性最優先:148グラムの軽さで“毎日持てる”タイプ


トーヨーセフティー No.3000

トーヨーセフティー No.3000

重量 約148gと軽量なのにJIS T8161-1による遮音性能(周波数別+SNR 25dB)[12]を実現しているモデルです。軽さで選ぶならばこのモデルがお勧めです。

「“持てる”から、続く。続くから、効く。」
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・自然な見た目でつけやすい → EP-EM70-W
・とにかく効き → 3M X4A
・毎日持てる → トーヨー No.3000

参考文献(参照日:2026-04-10)

[1]Connolly, D.; Dockrell, J.; Shield, B.; Conetta, R.; Mydlarz, C.; Cox, T. The effects of classroom noise on the reading comprehension of adolescents. The Journal of the Acoustical Society of America. 2019;145(1):372. doi:10.1121/1.5087126. 入手先https://discovery.ucl.ac.uk/10067344/(参照 2026-04-10). (UCL Discovery)
[2]Shield, B.; Connolly, D.; Dockrell, J.; Cox, T.; Mydlarz, C.; Conetta, R. The impact of classroom noise on reading comprehension of secondary school pupils. Proceedings of the Institute of Acoustics (ACOUSTICS 2018). 2018. 入手先https://discovery.ucl.ac.uk/10058921/(参照 2026-04-10). (UCL Discovery)
[3]Fernández-Quezada, D.; Martínez-Fernández, D. E.; Fuentes, I.; García-Estrada, J.; Luquin, S. The Influence of Noise Exposure on Cognitive Function in Children and Adolescents: A Meta-Analysis. NeuroSci. 2025;6(1):22. doi:10.3390/neurosci6010022. 入手先https://www.mdpi.com/2673-4087/6/1/22(参照 2026-04-10). (MDPI)
[4]CDC/NIOSH. Three Tips for Choosing the Right Hearing Protector. 2018-10-24. 入手先https://www.cdc.gov/niosh/bulletin/2018/hearing-protection.html(参照 2026-04-10). (CDC)
[5]CDC/NIOSH. Provide Hearing Protection. 2024-01-31. 入手先https://www.cdc.gov/niosh/noise/prevent/ppe.html(参照 2026-04-10). (CDC)
[6]Physics LibreTexts. 1.7: Active Control. 入手先https://phys.libretexts.org/Bookshelves/Waves_and_Acoustics/Acoustics/01%3A_Fundamentals/1.07%3A_Active_Control(参照 2026-04-10). (Physics LibreTexts)
[7]Wise, S.; Leventhall, G. Active Noise Control as a Solution to Low Frequency Noise Problems. Journal of Low Frequency Noise, Vibration and Active Control. 2010;29(2):129-137. doi:10.1260/0263-0923.29.2.129. 入手先https://journals.sagepub.com/doi/10.1260/0263-0923.29.2.129(参照 2026-04-10). (Sage Journals)
[8]MOLDEX Japan. M1 タイプ プレミアムイヤーマフ(6100). 入手先https://www.moldex.com/jp/hearing-protection/earmuffs/m1-premium-earmuff.php(参照 2026-04-10). (MOLDEX)
[9]Joshin webショップ. M1プレミアムイヤーマフ6100(NRR 29dB、JIS T8161 EM準拠、折りたたみ等). 入手先https://joshinweb.jp/diy/30024/0092311610009.html(参照 2026-04-10). (Joshin Web)
[10]3M. 3M™ PELTOR™ イヤーマフ Xシリーズ(用途例・NRR・周波数別遮音性能表等). OHS-236-D_R3. 入手先https://multimedia.3m.com/mws/media/1173815O/ohs-236.pdf?fn=OHS-236-D_R3.pdf(参照 2026-04-10). (3M Multimedia)
[11]mybest. 3M PELTOR イヤーマフ X4Aを検証レビュー(21商品比較、ベストバイ等). 2026-01-27更新. 入手先https://my-best.com/products/219535(参照 2026-04-10). (マイベスト)
[12]トーヨーセフティ. No.3000(重量148g、JIS T8161-1による遮音性能表、SNR 25dB等). 入手先https://www.toyo-safety.co.jp/products/3000/(参照 2026-04-10). (トーヨーセーフティ)
[13]MISUMI(ミスミ). イヤーマッフル No.3000(携帯用ケース入り等). 入手先https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/223005124908/(参照 2026-04-10). (MISUMI)